前人未到の自動ドアリニューアル工事を成し遂げた、
チームナブコドア

部署を超えたひとつの
チームとして、
難易度の高い仕事に
挑戦する面白さ

2010年から2019年までの長期にわたり実施された、JR浜松駅新幹線車庫の改修工事。東海道新幹線で唯一、新幹線車両の全般的な検査が実施できる浜松工場をリニューアルし、検査のさらなる効率化を図ることが本プロジェクトの全容です。このプロジェクトにおいて、私たちは車両工場の出入口にある自動ドアの入替工事に取り組みました。営業職である私の役割は、プロジェクト始動から工事開始までの進行管理を行うことです。まずは工事が技術・納期面で実現可能であるかを設計職・技術職に確認し、施工プランを立案しました。同時に費用を試算し、見積書を作成・提出。施主様との金額交渉を通じて受注が決まったことで、正式にプロジェクトがスタートしました。その後、工務課に工事を依頼し、工事に必要な部材を発注。ここまでが私の主な役割ですね。その中で心がけていたのは、設計職・技術職をはじめとする関係者との連携を深めることです。今回設置した自動ドアは、サイズ・仕様の面で規格外の製品。15年以上営業職を務める私でも見たことがないほど大きな自動ドアだったこともあり、参考にできる資料も多くありませんでした。そのため、メンバーと何度も打ち合わせを重ね、情報共有を徹底するとともに問題点・疑問点を明らかにすることに注力しました。

社員それぞれの意見を
尊重する社風が
あるからこそ
柔軟な発想を活かした
設計ができる

私は自動ドアとそれに付随する装置の設計を手がけました。高さ約6メートル、幅約3メートルという、社内でも前例がないほど大きなサイズの自動ドア。プロジェクトの話をいただいたときには、経験したことのない規模の設計ができることに心が躍ったことを覚えています。設計を始めると、クリアすべき事柄がいくつか浮かび上がりました。一点目は、設計のために必要な事前情報が不足していたことです。自動ドアが新設された当時の設計図は情報が古く、寸法や取り付け方法などの情報が充分に記載されていませんでした。そのため、技術職をはじめとする関係者との協議を通じて情報を収集。また、自動ドアの設計だけでなく、不備なく安全に取り付けるフローの考案にも取り組みました。工務課の加賀さんと現地に宿泊し、打ち合わせを重ねたり、状況確認のために何度も車両工場に足を運んだりしたのは良い思い出です。二点目は、自動ドアの開閉速度を調整する必要があったことです。工場の自動ドアは、開閉にかける時間が秒単位で定められています。そのため定められた秒数に合わせて開閉速度を設定し、スムーズなドア開閉ができる設計を心がけました。これらの取り組みを通じて、設計した自動ドアが問題なく動いているところを見たときには、やはり嬉しさがこみ上げてきましたね。 今回のプロジェクトは、さまざまな立場の方から情報を集め、意見交換することが最も重要でした。それができたのは、社員の柔軟な発想を尊重してくれる当社の社風があってのこと。今後も設計職として周囲と連携し、発想を活かした設計をしていきたいです。

入念な準備と作業工程の
把握を通じて、
施工現場の安全と工期を
守る役割を果たす

工務課の私は室井さんの設計図を基に、施工管理職として自動ドア設置工事のディレクションを行いました。主な仕事内容は、作業工程の管理、スケジュール調整、ゼネコン・現場監督といった関係各所との打ち合わせなどです。施工管理職は、これらの仕事を通じて納期までに竣工するという重要な役割を担っています。今回のプロジェクトでは、約2週間を費やして工事に取り組みました。一連の工事をいくつかの工程に区分し、「この日は配管工事」「今日は溶接した金物の設置」のようにして進行。実際の工事を担当する協力会社の方と予定をすり合わせながら、工期の調整を行いました。工事を進行管理するにあたっては、「安全かつ効率よく作業を進める」ことが一番の課題でした。非常に大きなサイズの自動ドアを取り扱うため、取り付ける装置や部品もほとんどが重量物。中でも「シリンダー」という、自動ドアが開閉するために欠かせない部品は、4人がかりで持ち上げなければならないほど。また、施主様からも「施工では安全面を重視すること」「新幹線の運行を妨げないこと」というご要望をいただいており、細心の注意を払う必要がありました。安全で効率的な施工のために私たちが行ったのは、施工前検討会を事前に開催し、作業工程と施工内容を綿密に検討・調整することです。これにより、さまざまな立場で工事に携わる関係者に意見を伺ったことで、課題や留意すべき事柄が浮き彫りになりました。結果として工事はスムーズに進行し、滞りなく竣工できたときの達成感は今でも覚えています。

限定された条件下での
工事にも積極的に
チャレンジし、さまざまな人の笑顔を守りたい

私は加賀さんが施工管理を担当した自動ドアの点検・修繕提案業務を任されています。これまでに取り組んだ工事の中では、自動ドアが開閉するために必要な「エアシリンダー」の交換工事が印象深いです。 あらかじめ工期が決まっている自動ドアの新設工事とは違い、メンテナンスの工事は依頼をいただいてからの施工となります。そのため比較的短い工期で、迅速さ・正確性・安全性を保った工事が求められます。またJR浜松駅新幹線車庫には頻繁に立ち入ることができないため、「新幹線の運行に影響を及ぼさないよう、3日間で完璧な工事を行う」という、難易度の高い条件をクリアする必要がありました。いくつものイレギュラーな要素が重なったこの案件。それでも私は、これまでに経験したことのない仕事ができることにワクワクしていました。工事当日は、新幹線の車両故障に伴う緊急修理などから、作業は想定よりも難航しました。またエアシリンダーは扉の上部に設置する装置のため、工場内に張り巡らされた新幹線の架線を避けながら取り付け工事を行うことも難しかった記憶があります。それでも、事前ミーティングで決定した工程に基づき、チーム間で連携をとることを心がけた結果、全工程が完了。お客様からも感謝の言葉をいただきました。間接的ではありますが、新幹線の安全な運行に携われたことは、今回の案件で感じた一番のやりがいです。この経験を活かし、新幹線を利用されるお客様や運行に携わる関係者など、さまざまな人の笑顔を守るため、これからも前向きな気持ちで仕事に取り組んでいきたいです。